お彼岸その2~過ごし方~
お彼岸は、中日(春分・秋分の日)と前後3日の計七日あります。
前後に3日ある理由は、『六波羅蜜』という修行を毎日1つずつ実践する為であるといわれています。
「六波羅蜜」とは仏さまが説かれた、6つの正しい生き方を意味します。
①「布施」(ふせ)…与えること。物質的な施しである「財施」、精神的な施しの「法施」(僧侶のお経など)、「無畏施(むいせ)」恐怖や不安、脅(おび)え慄(おのの)きなどを取り除いて、安心させること
②「持戒」(じかい)…良き生活習慣を身につけて保つこと。簡単にいえば「むさぼらないこと」
③「忍辱」(にんにく)…耐え忍ぶこと。責任を他のせいにしないこと。寛容な心を持つこと。
④「精進」(しょうじん)…努力、ひたむきに進むこと。
⑤「禅定」(ぜんじょう)…心を静かに保ち動揺しないこと。反省を忘れないこと
⑥「智慧」(ちえ)…先入観・偏見・固定観念や利害にとらわれず、正しい判断をすること
以上の6つの行いを仏教では六波羅蜜といいます
普段の生活に照らして考えてみてください。実践できているでしょうか??
簡単なことのようですが意外とできていない人が多いのではないでしょうか??
この6つの修行を、春と秋の年2回実践しようというのが、お彼岸の教えです。
六波羅蜜の修行は、自分の心がけひとつで誰にでもできることでありますが、我々凡夫にとってこれらのことを常日頃に実践し続けるのはとても難しいことです。
せめて、お浄土を身近に感じるお彼岸の1週間は、六波羅蜜を実践していきたいものです。
そして、日常生活の中でも少しずつ六波羅蜜を意識し、ほんの少しずつでも善い行いを積んでいく。
その日々のわずかな心がけが1年後、10年後に積み重なり、より良い自分になれるのではないかと思います。
どうか皆様がより良い人生を過ごされますように。